「旅の無事を祈る」「お蔭様で無事に暮らしている」など、
「無事」は、普段と変わりなく、平穏であることをいいます。
この言葉は、もともと仏教語で、
欲や煩悩に惑わされることのない心、こだわりや障りのない心を意味します。
人間の苦しみの原因は、「何でも思い通りにしたい」という
際限のない欲望と煩悩にあります。
必要以上に求めることなく、己の計らいやこだわりを離れたところに、
平穏無事な世界が広がるのです。
生まれ難き人間として生まれたことに心から感謝しつつ、
誰に対しても思いやりをもって一日一日を無事に生きていきたいものです。