「油断大敵」「油断禁物」などと使われる「油断」は、気を緩めて、注意を怠ってしまうことをいいます。
この言葉は、もともと仏教語です。
『大般涅槃経』によると、ある国王が、油がいっぱい入った鉢を家臣に持たせ、「油を一滴でもこぼしたら、首をはねる」と言って歩かせたところ、家臣は必死の思いで、一滴もこぼさずに歩き切りました。
「油」をこぼしたら、命を「断つ」ということから、注意を怠ること、集中していないことを、「油断」というようになりました。
私たちは、油断すると、つい自分の欲を優先して、自分勝手に行動してしまいがちです。
心を善から遠ざけることのないよう、油断せず、日々、仏様に手を合わせ、周りのもののお蔭で生かされていることに感謝して過ごすことが大切です。