「有頂天」とは、喜びや得意の絶頂にいて、我を忘れること。
これは、元々、仏教の言葉です。
天上界には、下から欲界・色界・無色界という三つの世界があり、その「頂点に有る」ことから有頂天といいます。
有頂天の寿命は計り知れませんが、天人にも、老化にあたる五衰という苦しみが訪れます。
その苦しみは、地獄の責め苦の十六倍に匹敵するといわれています。
さらに、寿命が尽きれば、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道輪廻から逃れることはできず、しかも、楽を極めたことから、罪を造ってしまい、果てしなく、落ちていく苦しみを味わうのです。
私たちは、時に勘違いし、思い上がり、有頂天になることがありますが、そういう状態は、決して長続きしません。
仮初めの有頂天よりも、永遠である、安養の浄土を求めたいものです。