気乗りせず、面倒くさいという意味で使われる「おっくう」という言葉があります。
この言葉は、もともと仏教から生まれたもので、漢字では、「億劫」と書きます。
この「億劫」がなまり、「おっくう」となりました。
仏教における時間の単位に「劫」があります。
一劫は、一辺が四十里(約160㎞)の升に、芥子の実を充満させ、百年に一粒ずつ、芥子の実を取り出していき、升が空になるまでにかかる時間だといいます。
一劫でさえ、莫大な時間がかかるのですから、億劫となれば、無限に近い時間となります。
気が遠くなるほど永すぎることから、次第に、「面倒くさい」という意味に転じていきました。
この億劫より、さらに永い時間である、「兆載永劫」の修行をされ、誓願を成就された阿弥陀仏の御苦労を思う時、私たちは決して、おっくうな心になることなく、感謝したいと思います。